Gifted

Gifted:ギフテッド

ギフテッドの特徴を有する人々は、知性、創造性、芸術、リーダシップ、あるいは特定の学術分野において高い潜在能力を有します。その一方で、学校、職場で不適応など種々の心理社会的機能上の問題を抱えることがあります。この問題の背景には、彼らが潜在的に高い処理能力を有するだけでなく、様々な感覚的情報も大量に取り込み、強く反応する“過興奮性(or 刺激増幅受容性):Overexcitability(略してOE)”の特徴を有することが想定されています。また、ギフテッドの特徴を有する人々の能力は必ずしも、全領域で押し並べて高いというわけではなく、個人の中で能力のバラツキを持ち合わせていることもあります。このようなバラツキの大きさは、情動制御の悪さや不安・緊張特性の強さと関連が強いことが知られています。

医療や福祉による支援が提供されることもありますが、残念ながらギフテッドという概念の認知度が低いことも影響し、自閉症スペクトラム障害や注意欠陥多動性障害などの「発達障害」と誤診され、その能力を生かした適切な支援が行われていない現状あります。

本研究室では、ギフテッドの特徴を持ち合わせると想定されるものの、 多様な背景因子の影響により潜在能力を十分に発揮できない状態にある皆様に対し、ギフテッドにおける認知機能と “過興奮性Overexcitability”を適切に評価し、介入ターゲットを明確化する評価尺度を開発することを目標としています。将来的には、ギフテッドの特徴を持つ個々の 臨床背景・能力特性を考慮し、強みとなる特異点を重点的に向上させることを目的としたプログラムの研究・開発に繋げ、性別、障害、能力などに応じて最適な支援や環境が整うことを目指しています。